「市場の仲卸」ってこんなに奥深い。代表にその魅力をお伺い!
written by 伊藤愛結
我々が生きていく中で欠かせない「食」。
今回は、そんな重要な「食」の流通を担っております、福島市公設地方卸売市場・青果仲卸「株式会社マルセイ」代表の赤井さまに、会社の魅力と将来についてお伺いしました。
こちらを読んで、マルセイさまや青果仲卸業(なかおろしぎょう)の魅力について伝われば幸いです!
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「株式会社マルセイ」について
株式会社マルセイは昭和40年に福島県福島市で創業、昭和47年の福島市中央卸売市場開場に伴い、青果仲卸として入場。以来、市場に集まる県内外の野菜や果物をスーパー、小売店、飲食店などに卸す仲卸業を営んでおります。
「食に携わる名脇役」「信頼の青果物仲卸」「ふくしまLOVE」を合言葉に、「お取引先さまの助けになりたい」という思いを強く意識して事業を行っています。
社員全員が「お客さま」との信頼関係を第一に考えて
---赤井さまからみた、マルセイさまの事業の魅力を教えてください。
競合他社と比較し、たくさんの種類の野菜や果物を取り扱っていることですね。
仲卸業とは、取引先と市場との間に立ち、消費者の望む商品がタイムリーに店頭に並ぶようお手伝いすることが仕事ですから、なんといっても「取扱い商品の多さ」が肝なんです。
そのため弊社では、胡瓜や人参などの野菜類から桃や林檎や柿などの果物類まで、さまざまな仕入先を確保し、取引先の要望にすぐに応えられる体制を整えておりますので、厚い信頼を寄せていただいていると思っております。
また、仕入先からの紹介により、北は北海道から南は九州沖縄まで全国各地に取引先があります。
---働く上での魅力は?
それぞれの営業担当が、いわゆる「社長」のような感じで自分で仕入れして自分で販売することができるというのが魅力です。
当社の営業担当は量販店のバイヤーとやり取りすることが多く、バイヤーが望む商品(=消費者が望む商品)を、タイムリーにタイミング良く手配するということがミッションになっております。
そのため、取引先・バイヤーによって求めている商品に違いがあるので、A社は人参と林檎、B社は椎茸やピーマンなど、それぞれの要望にあった品目を販売しています。
取引先にはそれぞれの担当者が自分で連絡を行い、自分を売り込む必要があるので、お客さまの要望にいかに応えて信頼関係を構築していくかが鍵となってきますね。
例えば、お客さまから急遽野菜や果物が欲しいと相談された場合、福島の市場に限らず全国の市場を探して青果物を確保したり、すべての産地の天候や相場などを把握して、値段などの要望に応えるという努力も行っております。
時にはアイスやお菓子を売ったりと、頼まれたものはなんでもチャレンジできる環境があるのも魅力の一つですね。
基本的には社員一人ひとりの判断に任せてはいますが、難しい局面等悩ましい事案が発生すれば、何でも相談できる環境もありますので安心してください!
---社内の雰囲気を教えてください。
私は社長の立場にはありますが、仕事以外は社員と同じ目線で話すようにしております。
会社の雰囲気は社員が作っていくものだと思っているんです。
だからこそ、仕事上はビシッとしますが、それ以外は仲間という視点で社員と会話をするようにしていますね。
仕事においては、部下も上司もお互いをよく助けあっています。
卸売業は、自社の仕事が遅れればそれだけ取引先への納品が遅れますから、スピード感が大切です。日々の業務の積み重ねが信頼関係にも繋がっていくんです。
だからこそ、遅れの見られる部門があれば社員全員で手伝ったり、ある担当者の商品が確保できないとなった場合には、代わりに別の担当者が仕入れ先を確保して納品を行ったりと、社員同士で助け合っています。
日々協力して仕事を行っておりますので、社員の仲はとてもいいなと感じております。
世界に通用する産地づくりへ
---マルセイさまの今後の取り組みは?
これからは、商品の充実、差別化を図る観点から、世界に通用する弊社オリジナルの「産地づくり」に挑戦していきたいと思っております。
「産地づくり」とは、生産者、JA等と協力し、プライベートブランドを作ることです。
その中でも「グローバルGAP産地づくり」は「食」への安全が世界基準となっており、日本よりもかなり厳しい水準が設けられています。
東京オリンピックを経て、これから「産地づくり」は最も熱いワードになっていきますね。
マルセイは、これまで時代の流れを着実に読み、変化をし続けて参りました。
---これまで行ってきた取り組みはありますか。
創業当初は、時代が時代だったので、物(商品)を集めるのにとにかく苦労しましたね。
その後、時代的な流れもあり、競合も増え、市場に到着したトラックの荷台から商品を競って自分のところに確保した、なんてこともありました。
その当時の取引先は商店が多かったのですが、時代が進み量販店が台頭してくるようになると、商店の方よりも量販店の方が増えていったんです。
その流れをいち早く察知した前社長は、既存取引先に加え量販店の開拓にも力を注ぎ、競合他社に先駆けてシェアを確保した結果、弊社は当市場の中でも頭一つ抜け出した存在になっていきました。
”今後もお客さま満足度を高めつつ、業界の先駆けを行いたい”
そんな思いから、産地選びだけじゃなく、海外の方にも安全においしく食べてもらうために、農薬などの管理や作業用の機械などを清潔に保つことなど、食べ物を作るにあたって農家の方に指導までできるようにしていきたいと思っています。
現在、何人かの社員に資格を取得させて進めているので、今後入社してくれる方にもぜひ一緒に「産地づくり」を進めていってほしいです!
ただ売るだけじゃない面白さがある仲卸の営業
---どんな人と一緒に働きたいですか。
コミュニケーション能力があって、負けん気が強い人がいいです!
手前みそになってしまいますが、私の若い頃は「自分の商品で福島No. 1、東北No. 1、いや全国No. 1になるぞ!」という気持ちで仕事に取り組んでおり、実際に人参取扱金額で東北No. 1になったことがありました。
この仕事は、お客さまにただ商品を売るだけじゃだめで、自分の担当品種の研究も必要になってくるんです。
人参ひとつとっても色々な品種があって、中の芯が小さいものや大きいものなどさまざまななんですよね。
その中でも、芯が小さいやつは食べやすいので、よく売れるんですよ。
その他にも、お客さまへの売り方も考慮しなければなりません。
例えば、小ぶりの野菜であれば大袋に入れて売られますから、店の値入れや利益等を考え、天候なども考慮した売り方を提案していきます。
売上は生産農家さんの生活にも関係してきますし、どちらかというとただの仲卸でお客さまに販売する営業というより「企画・提案営業」に近いかもしれません。
だからこそ、社員はみんなプライドをもって働いていますね。
自分の中で目標を達成するという意識はもちろんのこと、数字をつくる(上げる)社員は「あの人よりも売上をつくるぞ!」という熱い思いを内に秘めている人が多いです。
それでも、困っている時はお互い助け合う文化があるので、いい刺激を受けながら仕事ができると思います。
おわりに
仲卸業について、取材前は自分の中でイメージがつかなかったのですが、今回の取材を通して、奥深い市場仲卸の中身を知ることができました!
最後に、マルセイさまについてのおさらいです。
・当市場の仲卸No. 1
・お客さまに寄り添った営業がモットー
・北は北海道、南は九州沖縄まで、取引先が充実
・判断を現場社員に任せくれる(もちろん相談もOK)
・社員同士仲がいい(ピンチの時は助け合い)
・世界に通用する産地づくりに挑戦中
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