「働く」を面白がって何が悪い!仕事で「旅のドキドキ」を体現する経営者にインタビュー

レッド

written by 田野百萌佳

「旅するように働こう!」という言葉を掲げ、福島県で営業代行の会社・株式会社レースフェーベルを営む服部好恵さんにインタビュー。「旅のドキドキ」を仕事で体現し、「働く」ことをとにかく楽しむようになった人生背景・価値観を伺いました!

服部好恵さん

服部好恵さん

株式会社Resfeber(レースフェーベル) 代表取締役 大学卒業後、数社を経て2017年にレースフェーベルを設立。 バスケと旅行と唐揚げをこよなく愛する。

バスケに夢中だった少女が、働く楽しさに出会うまで

ー子供の頃はどんな子だったんですか?

 

服部さん:小学生のころからバスケに夢中な子でした。

それも最初は自分からやりたい!と言って始めたわけではなくて、先に始めていたお姉ちゃんについて行ったのがきっかけだったのですが、気づいたら高校の部活引退まで続けていました。仲間とワイワイする楽しさ、できないことができるようになる面白さ、試合に負けた時の悔しさ、勝った時の達成感を知っていくうちに、どんどんのめり込んで行きました。

 

ー特別興味がなかったところから、面白さを見つけたんですね!

ーバスケを通して培ったものを1つ挙げるとしたら、何かありますか?

 

服部さん:「直感を信じて、ノリよく動く」ことかなあ。

バスケって、プレー中に立ち止まって次の動きを考える時間がないじゃないですか。だから直感に従って動くシーンが多くて。それで成功するかどうかはわからないけど、失敗だったとしてもいい方向にもっていこうとする切り替えが必要なんです。

よく考えてから行動するのも大切だけど、瞬時にまずは動き出してみる。それをいい方向に変えられるようにノリよく動く、というマインドはバスケをやっていたからこそ培ったものなのかも。

 

ーたしかに、考える前に動かざるを得ない状況ですもんね!

ーバスケ部引退後、高校卒業後の進路を決める際も「直感を信じて、ノリよく」決められましたか?

 

服部さん:それが、あんなに夢中だったバスケから離れて、やりたいことがなかなか見つからなくて。

高校卒業後は地元の大学に進学したんですけど、それも「みんな行ってるから、私も行っとくか〜」みたいな感じで。

でもいざ大学生になると、東京に行ってる友達がすごくキラキラして見えるんですよね。(笑)それからというもの、「私は何も変わってない...」という劣等感と焦りに追われる日々でした。

 

そんな状態で就活を迎えたのですが、「型にはまるのはもう嫌だ!」という気持ちはあったんです。

私は3人姉妹の末っ子で、姉二人は公務員、けっこう堅い家庭で育ったので、私も収入が安定している公務員になることを勧められたんですけど、それは何か肌に合わないというか。

一般企業の就活でも、ただでさえ劣等感感じているのに、面接官から評価を下されるのがすごく嫌で。でも夢が見つかったわけでもなく。結局、新卒入社したのはとりあえず内定をもらった企業でした。

 

ーバスケ熱中時代のお話や今の服部さんのイメージからはかなりギャップを感じます。

ー社会に出てからはどうでしたか?

 

服部さん:最初は、初めて働くってだけでドキドキするし、学ぶことだらけで成長も実感できていたんです。

でもしばらくすると、今度は先が見えすぎて。

同じことの繰り返しの日々で、上の先輩にも憧れる人がいない。

 

社会に出る前、実はもっと仕事に対してワクワクするイメージを抱いていたんです。

大学時代に短期間アメリカに留学したことがあるのですが、現地の街中に、すごく楽しそうに働く大人たちがいっぱいいる光景を目にして。例えば、お店のレジ中で店員さんがリズムにのっていたり、コーヒーとパソコン持ってスケボーに乗っていたり。「何、この楽しそうな大人たち!」って衝撃を受けて。私にとっての働く大人との出会いはそれでした。

 

だけど、実際に就職してみるとそんな風に楽しく働く先輩には出会えなくて。

「5年後、10年後、私もああいう風になるのか」と考えると怖かったんです。

その後も何社か転々としながら、「楽しく働くことってなかなか難しいんだな」と落ち込んでいました。

 

ある時、そんなもやもやを抱えたまま、アラスカにオーロラを見に行ったんです。

あまりにも綺麗で号泣して、その時「そうか、私仕事でこんなにドキドキできてなかった。夢中になれてなかったんだ。」と気づき、帰ってきて会社を辞めました。

 

ー夢中になったり、ドキドキワクワクする体験をしているからこそ、それがない環境にいるのってつらいですよね。

ーそこからどうやって今に至るんですか?

 

服部さん:会社を辞めた後、ワーキングホリデーに行こうと思ってたんですね。かっこいい夢を語って逃げようと思って。(笑)

そのお金を貯めるためにとある営業会社に入ったのですが、そこがターニングポイントでした。

その会社の社長が、まさに楽しそうに働く大人で!

 

なんというか、例えば、仕事5割、趣味3割、家族時間2割、というように生活時間を削っているのではなくて、仕事も趣味も家族との時間も全部10割ずつ楽しんでる感じ!

ついに憧れる存在ができたんです。

 

実際にその人のもとで性別も年齢も関係なしに色んな仕事を任せてもらえて、沢山失敗もさせてもらって。

結局、ワーホリには行きませんでした。帰って来てからまた就活するくらいなら、今この会社で学んだほうがいいと思って。「ワーホリの時はよかったな〜」って過去の思い出に浸りながら生きていくの、嫌じゃないですか。(笑)

 

最終的にその会社で営業、人材育成、経営視点など幅広い分野を学べました。

ワクワクドキドキって非日常の中だけじゃなくて、日々の仕事でも経験できるんだ!

仕事だって、やらされるのではなくて、趣味と同じように自分がやりたいからやる!でいいんだ!と気づいたんです。

 

だから今度は私が、「もっと人生よくしていきたいけどどうしていいかわかんない」っていうかつての私みたいな人に、そういう機会を与える側になりたいと思って、レースフェーベルを起業しました。

 

ーわあ、感動の展開、、、(涙)

 

かつての私みたいな人が、チャレンジできる環境を作る

ー起業した際の想いをもう少し詳しく聞かせてください!

 

服部さん:小さなチャレンジをし続けられる環境をつくりたくて。

営業代行という事業を選んだのにも、いろんな商材を扱うことで、毎回違う体験ができるという理由があります。

 

同じことの繰り返しだと、不安もないけどドキドキもない。いわゆるマンネリ化ってやつ。固定化されちゃうし、頭も体も重くなって嫌ですよね。

だけど一度そうなってしまうと、強制的に環境を変えないとなかなか抜け出せないんですよね。

 

本当は環境のせいにしないで自ら変化を起こせると良いですが、そういう強い人ばっかりじゃない。以前の私みたいに何かを変えたいけどどうしていいかわからなくてもやもやしてる人たちに、レースフェーベルで働くことを通してちょっとずつ新しいことにチャレンジして自信をつけていってほしいんです。

 

ー具体的には、どのように体現されているのですか?

 

服部さん:新しい環境を与えるという意味では、一定の目標を達成したら次の仕事をどんどん任せていくことにしています。そのステップも見える化して、これを達成したら次はこれができる!というのがわかるようにしています。私が以前働いていた時に感じていた「マンネリ化」も、どうすればステップアップできるかがわからなかったのが1つの理由だと考えたので。

年功序列や入社順は関係なく、これをやればこのステップにいける!というのが見える状態にしています。

 

国内・海外研修制度っていうのもあります。クライアント様の中に海外のメーカー様もいて、年に数回現地訪問させていただいています。日常を飛び出して環境を変えると、日常ではできないことが急にできるようになっちゃうことってあるじゃないですか。すごい引っ込み思案だった子が海外行くとはっちゃける、できるようになっちゃう、みたいな。旅する、移動する、環境を変えるってすごいパワーがあると思ってて、そういうきっかけを作りたくて。

 

あと、スタッフに私の出張に同行してもらう「旅する鞄持ち」っていう取り組みもあります!

出張中の移動時間って、けっこう沢山コミュニケーション取れるんですよね。他愛もない話をするんですけど、意外とその中で仕事に対する気づきが生まれることって結構多くて、課題も解決したり。、、まあ、出張の楽しさに浮き足立ってしないこともあるんですけど。(笑)でも、一対一のコミュニケーションを取るのが大事だと思う。で、行った先で美味しいもの食べて、ちょっと旅行気分!みたいな。鞄は自分で持つんですけどね!

 

ー面白い!(笑)社名の由来が「旅に出る直前、不安と期待が入り混じって絶え間なく胸がドキドキすること」という意味のスウェーデン語が由来とのことですが、それがそのまま社内の文化に落とし込まれてますね!

 

ー実際に働いているスタッフさんって、どんな方がいらっしゃいますか?

 

服部さん:今いるスタッフは合計10名で、年齢は20代と30代に分かれるのですが、どうにか成長したいけど、何をしていいかわからない、という気持ちを持って入社するスタッフは多いですね。

例えば、もともと人と話すのも人前に出るのも苦手で、そういう自分を変えたくて入ってきたスタッフがいます。でも今では新しく入ってきたスタッフに教える立場になって、人前で営業ミーティングをしてくれるくらいに成長して。人と話すのが苦手だったなんて嘘かのように積極的に話せるようになっている姿を見て、すごいな!と思ってます。

 

ー目に見える変化が実際に起こっているんですね。

ー育成面で大事にしていることはありますか?

 

服部さん:「否定しない」というのを大事にしてます。

否定されると発言しにくくなるので、それよりも意見を沢山出せる環境づくりも大事にしています。実は社内制度も、社員の声から生まれることがほとんどなんです。

あと、業界未経験での入社が多いので、失敗を沢山経験できるようにしています。

失敗の数が多ければ多いほど、将来的に成長の材料になると考えています。

失敗する前に教えた方が早いと思いきや、そうしてしまうと自分で考える人が育たなくなるから、結果的に会社の成長も遅くなると思うんです。

だから、最初から答えを教えることはせず、スタッフ自ら考えて行動してもらうことを大切にしています。そして、ちょっとずつ失敗に強くなっていってもらう。

 

もっと大きいところだと、「自分のビジョンを実現できる人を育てていきたい」というビジョンがあって。

社内ベンチャー制度っていうのを設けて、自分のように独立していく人をサポートしていきたいと思っています。

 

失敗も、一緒に面白がって乗り越える人がいれば思い出になる

ー上記を踏まえて、これからレースフェーベルで一緒に働きたいのはどんな方ですか?

 

服部さん:やっぱり失敗を面白がって、ノリ良く動ける人ですかね。

ベンチャー企業だから、うまくいかないことは頻繁に起こる。

ビジネスも、スポーツと同じで止まってる時間はないですよね。それはつまり、失敗してもどんどん次に切り替えられるということ。失敗から切り替えることに慣れていくうちに問題が起きても「どういう風にしたら解決できるかな」って面白がれるようになって欲しいんです。

自分の成長のためにも、自分ができる範囲を広げていくうえで、失敗ってつきものだと思うから、そこを楽しく乗り越えていける人と一緒に働きたいし、サポートしたいです!

 

ー失敗を面白がるって、なかなか難しいことだとも思うのですが、そうなるためにできることって何かあるでしょうか、、?

 

服部さん:確かに、失敗を面白がるって実際無理ですよね(笑)

「仕事ではミスしちゃいけない」っていう考え方のほうが一般的ですし、私ももともとは失敗するの怖かったです。

でも、前職で「何で失敗がないんだ!失敗してないのは、何もしてないのと同じ!」って怒られたことがあって(笑)

そこで、失敗が怖いのは挑戦の数が足りないからなんだ、と気づきました。

たった一回の挑戦に失敗すると思うから怖いのであって、挑戦の数を増やせば失敗1回のダメージは減るということ。

例えば、銃弾が一発しかなかったら緊張してなかなか撃てないけど、マシンガンで一発でも当たればOKと思えば気兼ねなくぶっ放せるでしょ?そんなイメージ!

つまり、失敗を面白がるためにできることの答えは、失敗のダメージが減るくらい、挑戦の数を増やすこと。

その方がスタッフも伸びるし、結果的に会社も伸びます!

 

あ、あともう1つ!

「検索できない楽しさがある」と知ること!

今ってなんでも検索できる時代ですが、行動してみないと出会えない楽しさってたくさんあると思うんです。たとえば旅行でも、予定してたことよりも偶然起こったことの方が案外思い出深くに残りません?

 

そうだ、先日知り合いとフォークソングバーに行ったんですけど、そういうとこって絶対1人だと行かないし、自分で検索することもなかったんです。

縁あって初めて行って、初めて生演奏に合わせて歌うという経験をしたんですけど、カラオケとは全然違うんですよ!楽器に合わせて歌うってこんな難しいんだ!なんて思いがけない発見があって。ちょっと話はそれちゃったけど(笑)

 

私にとって、フォークソングバーに行ったことって小さな「旅」の感覚だったんです。

海外に行くとかそういうことだけじゃなくて、毎日の中で色んな想定外に出会うことも「旅」の1つで、そういう経験が人生を彩るんだと思っていて。

 

仕事にもそんな「旅」のような感覚を持って働けるようにしたいです。

仕事でも想定外の嬉しいことが起こったら達成感が湧くし、こんなはずじゃなかった、、と思うこともたくさんある。でも、それは自ら動いてる証拠でもあるんです。だけど、それを面白がれる人が周りにいて、一緒に乗り越えられると思い出に残るはず。

 

ーフォークソングバーのお話がまさに、ホームページには載ってないし、今初めて伺ったけどすごくタイムリーで思いがけない収穫でした!こういうことか!

↑旅行中の服部さん。

 

ーでは、最後にこの記事を見ている方に伝えたいメッセージがあれば、お願いします!

 

服部さん:仕事を「まじめ」にやらなきゃいけないものだと思わなくてよくて、もっと楽しめるものだって知ってほしいです!

仕事を面白がって何が悪い!(笑)以上です!

 

ーありがとうございました!

 

取材後記

すごく穏やかな口調で、目から鱗な名言を連発する服部さん。

出会う人みんなファンになってしまうのではないか?と思うくらい、まさに「働くかっこいい大人」でした。

夢中だったバスケから離れた後、進路にもやもやを感じながらも働く楽しさを見つけ、自らそれを体現する環境を切り開いていらっしゃるのも、ご自身でおっしゃる通り「直感を信じ、ノリよく」行動なさってきたからなのだろうな、と学びになりました。

「自分の人生もっと面白くしたいけど、何から始めて良いかわからない」という方、ぜひレースフェーベルさんの求人をチェックしてみてください!

 

株式会社Resfeber ホームページ

https://peraichi.com/landing_pages/view/lyqgy/

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